2012'10.29.Mon

パンプキン シード(ハロウィンSS)

ハピハロ!!大好きサイト様のハロウィン絵やハロウィンSSにモエモエとニヤニヤが止まりません。ハロウィンロイアイハァハァ!
スパークのハロウィンペーパーに載せてたSSです。本当はこれを書いてた時に妄想してた別のハロウィンSSをブログ用にアップしたかったのですが、有言不実行の予感がしすぎるのでとりあえずこれを…(手直しはしましたがあまり変わってないような;)
もう十月が終わってしまうという事実に嘘だと言いたい今日この頃です。

SS は以下からどうぞ〜。
 

パンプキンシード

 「へえー知らなかったな、かぼちゃの種が食べられるうえにこんなにうまいなんて」
 街がオレンジ色で賑やかになる時期、この家には仮装などのそういう賑やかさこそないものの、香ばしく炒られて砂糖とシナモンをまぶされたそれは確かに美味しかった。
「はい。それに栄養価も高いんですよ」
口の中を満たされながら、それを作ってくれた目の前の少女にロイは一つの失態に気付く。
「すまない…私はお菓子を持ってくるのを忘れてしまった」
「そんな、気にしないで下さい。お菓子をねだって歩くほど子供ではありませんし、仮装もしてません。ハロウィンらしいことってこのくらいしかできませんから」
「しかし……そうだ!リザ、私にいたずらしてくれ」
「え?」
「お菓子をもらえなかったんだから君は私にいたずらをしていいんだ」
「そ、そんなこと出来ません!」
真面目な顔でそんなことを言われても困る。
慌てて動揺も露に出来ないと言い続けるリザにロイはまたうーんと考える。
そうして彼はお菓子の代わりにはならないけれどと、ハロウィンにまつわるおまじないを三つ教えてくれた。
種か灰を落としながら畑へと向かう若い男性の後ろをついていった女性が将来のお嫁さんになるというものや、夜にりんごを食べて真夜中に鏡をのぞけば将来の伴侶が映っているというものや、若い女性がT字路で靴を脱いでそのまま後ろ向きで歌を口ずさみながら誰とも口をきかずにベッドで眠ることができたら将来の旦那様が夢の中に表れるという三つの言い伝え。
「私も知人に教えてもらったんだが女の子はこういうの好きだろう?リザも試してみるといいよ」
そう彼は教えてくれたのだけど、どうしてか彼女の胸は少し苦しくて、どれも試してみることは出来なかった。
 例えば、種というならかぼちゃの種、それはもうお菓子になってしまった。

            *
 かぼちゃの種?
足下に通常ならないものが目について彼女は訝しげに小首を傾げる。それは上司がよく使うサボリ場所からポツリポツリと目にとまるぐらいの間隔でどこかへ続いていた。
彼を探しているリザは軽く眉根を寄せて暫く考えると、それを一つ一つ拾いながら歩く。
ゴールはそう遠くなかった。司令部の敷地内にある今はあまり使われてないだろう小さな菜園。
手の中にあるものに、ふと遠い過去のハロウィンを思い出してしまったのは、今日も確かハロウィンだったからだ。
案の定、見つけてしまった青い軍服に包まれた男の背中にリザは一つ溜め息をつく。
「大佐、休憩時間はもう終わりのはずですが」
「ああ、やっぱり君だったか」
遊びはこれまでだという意をこめて言えば、振り向いた男はニヤリと楽しそうな笑みを浮かべている。
「ハボック少尉の方がよかったですか?」
「冗談じゃない!生涯の伴侶に男がいいわけあるか!」
「は?」
「君が持っているのは、かぼちゃの種だと思うんだが違うかね?そしてここは畑のようなものだろう?」
まさか、まさかとは思うが彼は遠い昔に教えてくれた言い伝えのことを言っているのだろうか…。いい歳して何を…。
「……バカですか」
「ずっと気になってたんだから仕方ないだろ…」
ポツリと呟かれたその言葉の意味がよく分からない。
「何がです?」
「内緒。まぁ種や灰なんてまかなくとも常に私の後ろに付いてきてくれるのは君なんだがね」
「何を今更。それよりも大佐、書類が待っています」
「分かったよ。ああ、中尉、一つ言い忘れていた」
大人しく仕事に戻るかと思えば、振り向き近付く男に一瞬の隙をつかれて耳元で囁かれたテノールはどこか甘い毒のようだ。
「trick or treat?」
けれど、それこそ何を今更、だ。冷静に返す。
「それならここに。書類が終わるようなら作りますけど?」
意地の悪い笑みを浮かべていた男はほんの一瞬だけ虚をつかれると、いつも通り不遜な態度のなかにどこか懐かしい微笑を浮かべた。
「すぐ終わらせてやる」
彼女が開いた掌には、かぼちゃの種。
将来の伴侶への道しるべなそれは、味覚を満たして懐かしい過去と現在をも繋ぐ。

                      Fin.


★★★
かぼちゃのたねでお菓子を作る子リザたんが書きたかった話です(なぜ:)最初は切れないかぼちゃに奮闘する二人を書きたかったんですが(どういう萌え? ;)ハロウィン用のかぼちゃはそんなことないと知りまして;気が付いたらこういう話になってました。「いたずらしてくれ」な若マスタングさんに他意はないよ!大佐ならありそうだけど。そしてこの後、やりそうだけど(笑)精いっぱいいたずらしようとする子リザたんもかわいいんじゃないの?と書いてから思いました。



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