2012'06.01.Fri

61の日SS 「冷えた肌に温もりを~唇から伝染する~」

「あ…」
そう呟くと同時、上から降ってきた雫がポツリポツリその身を濡らしたかと思えば、あっという間に辺り一面を埋め尽くしていった。
「降ってきたか…先程まではあんなに晴れていたのにな」
「軍部に戻りますか?」
「いや、通り雨かもしれない。少し雨やどりしていこう」
そう言って、市街視察中に突然降り出した雨の中をロイは事も無げに歩きリザもその後に続く。


激しくなった雨を防げる狭い路地裏に並んで立つ二人の軍服はすっかり濡れて、その髪からも肌からも雫が滴っていた。
閉鎖的なその場所はザァアアアアアア…と降りしきる雨音だけに包まれている。
「参ったな」
骨張った手で濡れた漆黒の前髪をかきあげる男にリザの視線は奪われる。
「どうした?」
「なんでもありません…」
自分でも理解し難い感情におもわず顔を背ける。
けれど今度は彼の視線がリザを捕らえて逃がしてくれない。
「…なんですか?」
「なんだと思う?」
絡み合う視線、金色の髪から白い肌を伝う雫を追うかのように彼の大きな掌が彼女の頬を包むように輪郭を撫でる。
「-っ」
「冷たいな」
クツリと笑う男の低い声音にその手を払いのけようとした彼女の手は逆にもう片方の掌に捕らえられ、そのまま抗いがたい力で壁に押し付けられるようにして奪われたのは唇。
「--んッ」
互いに冷えた唇の触れる感触、そのまま口腔内を赤い蜥蜴のような舌が熱を与え奪っていく。
「ッ……」
何度も何度も角度を変え深くなる口付け。やがて何も言えない唇から伝染するのは互いの熱とそして……。解放された唇に残るもの。外気に触れ、ッーと途切れる銀糸に再び絡み合った熱に濡れた漆黒が嘘を許さない。
息のあがった肩を整えながら、それでもキッと睨みつける目の前の男はなに食わぬ顔で銀時計を取り出し薄い笑みを浮かべる。
「さて、定時も過ぎたし雨もやむ気配はない。ここからだと君の家が近いな」
「……」
「君の体温を奪うのは私だけで充分だ」

そうして…冷えた肌に温もりを…。

Fin.

★★コメント★★
おめでとう!61の日!!なんだかよく分からない、話にもなってないようなSSですが(すみません;)とにかく61の日に何かしたかった!という気持ちだけは伝われば…と。
や、6月だし雨とロイアイで書きたかったのと水も滴るいい男×いい女なロイアイが大好きなんです!ハァハァハァ。狭い路地裏で冷たい雨に濡れた身体で熱いチュウというシチュ萌え!!(ワンパターン万歳★)
雨の日に攻めマスタング!ということで61の日を主張してみる。

因みに今回も去年611記念でお世話になったお題サイト「確かに恋だった」様からお題「冷えた肌に温もりを」と「唇から伝染する」を使わせていただいてます。萌える言葉ばかりでハァハァ。勿論、611記念も使わせていただくつもりです。一応、「唇から~」は611記念のキスお題の第一段ということで!


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