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2011'05.24.Tue

甘い朝(ロイアイSS)

確か一昨年の冬コミのオマケペーパー用に書いたSSです。その時の新刊「触れる絆 見えない鎖」の萌え表紙を見ながら妄想した覚えが(笑)脳内ぎゅっ!祭の一つです。背中からのぎゅっ!萌え!!(や、ぎゅっならなんでも萌えますが616161)
短いですし、既に読んで下さった方もいらっしゃるかもしれませんが(ありがとうございます)よろしければ…。

[:hide:]

甘い朝

 「…ん」
ふと目が覚めた布団の中から視界に映る光彩はまだ薄暗く、起床時間には早いことを知らせていた。
ぼんやりと寝ぼけた頭で寝返りをうとうとして、けれど出来ない事実にリザは、この温もりの中にいるのが自分だけではないことを思い出す。
背中を覆う暖かさと少し窮屈な感じの正体は、自分を後ろから抱き締めるようにして眠っている存在の仕業。
どうやら自分はまた抱き枕代わりにされているようだ。
彼の癖らしいのだが、ぎゅっと抱きしめてられて眠るのは窮屈だし、自分は裸だし、寝心地がいいとは言えない。
けれどこの状態から抜け出そうと思えば可能なのに、今日もこの腕を振りほどけはしないのだ。
そうすれば彼を起こしてしまうからと、もっともらしい言い訳をして。
寝心地がいいとは言えないけれど、なんだか安心してしまう。
再びウトウトと眠りの世界に落ちていく間際、ああ‥温かいのは彼の体温なんだわ…とぼんやりと思った。
 
 腕の中には温かくて大事なもの。大切で大切で離すものかと、ぎゅっと抱き締める。それは無意識の時ほど正直で。
「ん;」
眠りの底から徐々に覚醒していく意識に重い瞼を開けてみれば、辺りは明るくなりだしていてロイはなんだか満たされた気持ちで目を覚ました。
すぐ目の前にある柔らかな金色の髪に、その気持ちの正体に納得がいって彼は口元を緩める。
まだ眠っている彼女を起こすのは忍びない。疲れさせているのは自分だし、今日は彼女は非番だ。ものすごく残念なことに自分は朝から通常勤務なのだが。このままこの温かな存在から離れたくない名残惜しい気持ちと闘いながらロイはそっと布団から起き上がった。

「大佐?」
「あ、すまん。起こしてしまったか」
彼が身支度を調えているとリザがベッドで身を起こしていた。
「いえ、こちらこそすみません。今、朝食を準備しますので」
「いや、今日はいい。せっかくの非番なんだ、君はまだ休んでいたまえ」
「そういうわけにはいきません」
「本当に真面目だな君は。無理をさせられた男には甘えておくもんだぞ?こういう時は」
「なっ…」
意地の悪い笑みを浮かべて言うロイにリザの顔がカッと染まる。
次の瞬間、そのまま彼女の手元にあった枕が彼の顔に気持ちのいい音をたてて直撃した。
「い、いきなり何するんだね、君は!」
「朝っぱらから馬鹿なことを言う口には何を言っても無駄だと思いまして」
そう言いながらリザはブランケットを素肌に纏うと着替えるためにベッドから足を下ろす。
「待ちたまえ」
「しつこいですよ、大佐」
「待ちたまえと言っている」
テノールが背後で低く響いたと思えば、次の瞬間にはリザは片手を後ろに引かれ、そのまま抱きしめられていた。
「ちょ、大佐?何をして…」
「朝食は作らなくていいから、その代わりもう暫くこのまま…頼む」
いつの間にか、引かれた手は腹部の辺りで彼の自分よりも大きい両手に包まれるように絡められていて背中にはまた彼の服越しの体温。
「起きても抱き枕の代わりが必要ですか?」
「なんだそれは…。だいたい代わりというなら逆だろ」
「逆?」
「あれはな、昔、君を抱き締めることが出来なかった時からの癖だ。無意識の願望までは制御できるものではないからな」
呟くような口調で、けれど鼓膜に直接注ぎ込むかのような言葉と更に強くなる抱擁にリザはもう何も言えなかった。


                                  fin

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